2016年1月25日月曜日

日本画の筆と刷毛

日本画の絵の具とその溶き方、膠液の作り方、紙、紙のドーサ引きと紹介してきました。
今日は日本画で使う筆や刷毛について説明します。
インパチェンス

彩色筆
柔らかい筆です。面を彩色する際に使います。羊毛でできています。大きさには様々あります。たらしこみやぼかしの技法を使うには、数種類、数本持っておく必要があります。

隈取(くまどり)筆
ぼかし筆ともいいます。水を含ませて、ぼかしの表現を行うときに使います。筆先は丸くなっていて自然にぼかしの表現ができるようになっています。


線描筆
(1)面相筆
人物の顔や衣服などの細かな線で描く表現でよく用います。
(2)骨描(こつがき)筆
こちらも極細の筆で細かな線描表現に使います。

平筆
絵の具をよく含むので、色面を塗るときに用います。

付立(ついたて)筆
つけたて描法や線描に用いる長い筆です。絵の具の含みがよいです。

刷毛(はけ)
絵刷毛は広い面を塗る際に用います。ドーサ引きを行うにはドーサ刷毛を使えます。水刷毛は水を含ませて使います。空刷毛は砂子(すなご)を蒔いたあとの余分な砂子を落としたり、金箔や銀箔を貼る際に、最後に余分な重なりを落としたりする際に使います。

それぞれの筆をこうした技法に必ず使わないといけないというわけではありません。ただし、基本的には、それぞれの用途に合った筆があります。使い方に慣れて来たら、さまざまな筆を試してみて、自分に合ったものや、新しい使い方を試みてみても面白いかと思います。

そのほかにも洋画やアクリル、トールペイントなどにつかうナイロン筆や洋画用の動物の毛を使った柔らかめの筆なども柄を少し短くすれば使いよいものもあります。これらは自分がもっとも表現したいものに合った、書き味の良いものを使えばよいので、一概にこれをというわけではありません。ドーサ引きなども、ホームセンターの塗装用の仕上げ用の刷毛のなかには非常に使い勝手のよいものも見つけることがあります。こうした発見もなかなか楽しいものです。



2016年1月24日日曜日

日本画の塗り方

日本画の絵の具とその溶き方、膠液の作り方、紙、紙のドーサ引き、筆の種類と紹介してきました。
キク

今日は日本画で絵の具の置き方について説明します。

濃淡の違う墨や岩絵の具を2本の筆にそれぞれ含ませて、たらし込みやぼかしの技法に用います。ここでは墨の例をあげます。

たらし込み
墨を筆につけてまず目的の場所にのせます。乾かないうちにもう一本の筆に先ほどとは違う濃さの墨を含ませて、紙に筆を置くように垂らします。すると最初に置いた墨との間の水のはたらきで墨が散ります。こうして濃淡の自然なトーンが生まれます。これをたらし込みの技法といいます。

これは墨の濃淡だけでなく、岩絵の具の濃淡でもできます。さらに色の違い、粒子の細かさの違いなどでも行うことができる手法です。ふつうたらし込みも含めて日本画の色を重ねるときは、粒子の細かいものから大きい粒子のものへと重ねていくようにします。

そして明るい色から置き、だんだん暗い色を置いていきます。さらに薄い色から濃い色に向けて置いていくとよいです。

ぼかし
紙に置いた墨のあとに、今度は別の水を含ませた筆で、墨の変わり目近くをすっと引いていくように筆を動かします。

すると濃淡の美しいぼかしが出来上がります。

ため塗り
膠液で溶いた岩絵の具を筆にたっぷりすくいとり、ねらった場所に溜めていくように置いて、色の面を作っていく技法をため塗りといいます。

ちょうどすくい上げた岩絵の具を筆で目的の場所に置いて集めていくような感じです。これは岩絵の具の粒子の大きさや比重の違いを組み合わせていくと、じつに多彩な表現を演出することができます。

比重が大きい朱などの絵の具は下塗りした色のさらに下にもぐりこませることができます。ただし。下塗りの絵の具を置いて十分水分があるうちに行います。これによって下塗りの下の朱の粒子がわずかに垣間見えることによって、独特の色合いの深みを出すことができます。

そして、筆使いによって、濃淡の違いをつくることができます。あくまでも筆を置く感じを維持します。日本画の場合には色を重ねる場合、下塗りが乾いていないと、筆を引いてしまうと下塗りと一緒に色がずるずると一緒に動いてしまいます。

掘り塗り
輪郭線などの線をぬり残して両側に絵の具をその両側に置きます。塗り残した輪郭線をはっきり見せたり、弱くなじましたりいずれもできます。

これらの技法はいずれも最初に置いた方の絵の具が乾かないうちに行うのがポイントです。日本画は思いのほか水(膠液)を多用します。

いずれの技法も日本画ではよく使います。したがって練習用の紙に何度も習字の練習のようにやってみて、何度でも思ったとおりにできるようになってから、本紙にチャレンジします。何度も練習して自分がほぼ思い描いていた通りのぼかしや、たらし込みなどができるととても楽しいものです。日本画の醍醐味といえるかもしれません。





2016年1月23日土曜日

日本画のドーサ引きと岩絵の具の溶き方

日本画を描く際に必要な基本的な操作について紹介を続けます。 今日はドーサ引きと岩絵の具の溶き方です。

ドーサ引き
日本画を描く紙は基本的にドーサ引きしたものを用います。ドーサ引きとは膠液にミョウバンを加えたものを刷毛で紙の表裏に塗ったものです。

こうした下準備を紙に施すことで
岩絵の具がにじむことを防ぐことができ、しかも岩絵の具が強固に紙に固定できるようになります。そして紙はドーサ引きしていないとにじむうえに、かわいたときにでこぼこになってしまいます。また塗りむらや絵の具の剥落が起きてしまいます。

したがってこの操作をしない場合にはドーサ引きの済んでいる市販品の紙を使います。

絵の具の溶き方
岩絵の具(粉末)を絵皿にとります。そこへこの前の回で説明しました膠液を少量加えます。

絵の具の必要な濃さに合わせてそこへ加える水の量を加減します。指で絵皿の底で絵の具の粒子をなでるように動かして溶いていきます。色の加減に関しては、べつに同じ紙の紙片を準備しておき、そこへ置いてみることで調整します。岩絵の具は乾くと色調がかなり変わりますから、この色の調整は何度も描いて覚えていくといいです。

岩絵の具は高価なものが多いですから、絵皿の使い残しの絵の具については、水を加えて、しばらく置いて、上澄みを何度か捨てる操作を繰り返しますと、岩絵の具を回収できます。乾燥させれば再び膠液を加えるところからは同じです。

水干絵の具の場合には、次のようにします。乳鉢に粉末の水干絵の具をとります。乳棒で粗い粒がなくなるまですります。そのあとの操作は、岩絵の具の場合と同じです。水干絵の具の場合には沈みやすいので、均一にしながらすくい取るように筆にとります。


2016年1月22日金曜日

日本画の膠(膠)の溶かし方

日本画は、岩絵の具を紙などに定着させるために、膠を溶かしたもの(膠液)を使って絵の具を溶きます。これによって画面にしっかり絵の具をのせることができます。

乾かすとその上から何度も重ねて絵の具を置く事ができます。それには正式には固体の膠を溶かす準備を絵を描く前に行います。最近はこの膠を溶いた膠液を市販品で売っています。これを使うことでこの操作を省くことができます。

膠は動物の皮などから抽出したものです。食品ではゼラチンが最も近いといえるでしょう。固体の膠はペンチなどで適当な大きさに切り、水に浸してふやかします。このあと電熱器の上などでゆっくりと弱火で溶かします。溶けたあとは60℃以下で解けている状態を維持します。これで岩絵の具を溶くことができます。

できた膠液は冷蔵庫で3日ぐらいは使えます。したがってこの操作を面倒と思う方は、市販の膠液の使用をおすすめします。

日本画を描くときには、この膠液を保温する電熱器などを準備してその上に置いて使います。膠液は暑いときは少し濃いめにつくり、寒いときは少し薄めにつくります。絵の具の粒子を包むように筆ですくい上げるようにして、紙の上に持って来ます。


2016年1月21日木曜日

日本画に使う絵の具

日本画は岩絵の具を使って麻紙(まし)や鳥の子紙、画仙紙、美濃紙などの和紙や絹などに描きます。紙に絵の具を定着させるために膠(にかわ)液に溶いて使います。

今日は日本画で使う岩絵の具などについて紹介します。岩絵の具といっても画材として使う場合にはさまざまあります。主なものをここに示します。

天然岩絵の具
天然にある鉱物からくだいてつくります。粒子の細かさによっても色の違いや使い方で表現法が違ってきます。重ね方や置き方によって、下地の色が混ざって見えたり、粒子の違いで様々な風合いになったり、多彩な表現が可能です。その点日本画の岩絵の具は奥が深いです。最も高価なものです。

新岩絵の具
天然の岩絵の具の中には手に入りにくい鉱物もあるため、ガラスを原料に陶磁器の釉薬のように変化させて砕いたものです。したがって色はさまざまで、釉薬と同じようなものなので色はとても安定なものです。

合成岩絵の具
方解石や水晶などを細かく粉末にして、化学的に色をつけたものです。化学的に合成された人工の色素ですので、それこそさまざまな色が存在します。上の岩絵の具と比べて安価なものが多いです。

水干絵の具
天然の原料を水で練って作った絵の具です。牡蠣の殻から作る胡粉も水干絵の具のひとつになります。一部に人工的に胡粉などに色をつけたものも同様に水干絵の具として売られている場合もあります。

金箔や銀箔など金属をうすくたたいて延ばしたものです。プラチナ箔もあります。

泥(でい)
金泥、銀泥などがあります。これは金属を粉末にしたものです。銀でできたものは時間がたつと空気中で酸化して黒くなっていきます。

顔彩(がんさい)
顔料にアラビアゴムを加えて固めたものを顔彩といいます。写生などでは持ち運びが容易なのでよく用いられます。水に溶くだけで使えます。

胡粉(ごふん)
上で触れましたが水干絵の具のひとつです。地塗りに使ったり、胡粉を下塗りした上に
岩絵の具を上塗りしたりして使います。胡粉を下塗りすることで、肌の表現などは際立った美しさが得られます。






吉祥 岩絵具30色セットNo.1
鳳凰 水干絵具24色セット
吉祥 角顔彩 上製 24色
日本画の描き方

2016年1月16日土曜日

木工品の塗装について

木工品の組み立てができたら塗装をして、表面の汚れや湿気を防ぎ美しい外観にしましょう。

木地みがき
塗装を前に木工品を紙やすり(サンドペーパー)で磨きます。紙やすりは木切れなどに巻きつけて、平らな面を作って使います。目の粗い紙やすりからだんだん目の細かいものにしていくと上手く仕上がります。

木の種類によってはこうしてやすりがけしても、穴やすじなどが目立つことがあります。その際にはとの粉で目止めをすると滑らかな表面にすることができます。水でゆるくといて布などで木地にすりこむようにします。余分なとの粉はべつの布などでぬぐって落とします。

下地作り
下塗りにシーラー(下塗り剤)で下地を作っておくと、仕上げに使う塗料が木地に吸い込むのを防げます市、塗料が塗りやすく滑らかに仕上がります。シーラーは木地と塗料の間に入り塗料がしっかりつき、しかも美しく仕上がります。したがってシーラーで下塗りすることで仕上げの塗料を節約できるわけです。

塗り
下塗りが乾いたら、目の細かい紙やすり(300番程度)で軽く磨いて、塗料のつきをよくします。仕上げに使う塗料ははけで中ほどの部分から刷毛を動かして塗ります。端から塗ろうとすると刷毛が、端の部分でしごかれて塗料がたれてしまうからです。動かす方向にはけを少しだけ傾けると上手く塗れます。塗りむらがないか確かめながら塗ります。

ニスを塗料の代わりとする場合には下塗り上塗りに分けて2度塗ります。塗料の場合と同様に、下塗りのあと300番程度の紙やすりで軽くこすってから上塗りをします。

2016年1月12日火曜日

木で作る工芸品

木を使って自分のお気に入りの品物をつくってみましょう。木は切ったり彫ったりすることで自分の気に入った形を作ることができます。
コスモス

木には木目の模様や木肌のもつあたたかさなど他の素材にはない良さがあります。その特長を生かして作りましょう。

のこぎりを使うときはしっかり固定して切りはじめは、親指などを当ててのこ身をゆっくり引いて、のこ道がつくようにします。自分の顔、のこぎりののこ身、引込み線が直線に並ぶような姿勢をとることがのこぎりを使ってまっすぐ切るコツです。

日本ののこぎりは、引くときに切ることができます。のこ身全体をしっかり引いて切るようにします。

糸のこを使うときには、糸のこ刃は下向きにつけます。しっかり固定するようにします。電動糸のこ盤を初めて使うときは、必ず使える人についてもらいましょう。

板をしっかり押さえて、刃に力がかかり過ぎないようにゆっくりと切っていきます。こまかなところは、糸のこよりも木工用のやすりを使ったり、紙やすりで削ったりしてもいいです。また、小刀やのみで削ったりもします。小刀やのみを使う場合には、作業する場の目の前に人がいないことを確かめて使います。

接着が必要な場合には木工ボンドを使い、接着したあともしばらくしっかり動かないように固定しておきます。よりしっかり固定したい場合にはほぞを作ったり、釘を打ったりして固定します。

木は角をけずったり、やすりをかけたりして丸めることで、手触りがよりよくなります。このように素地磨きをして、仕上げに塗装をするとできあがりです。
素地磨きは100番以上の紙やすりをだんだん細かいものに変えながら磨いていくといいです。

塗装にはラッカーやニスなどを使います。最近は水性の木工用のニスもあり使いやすいです。また、木製のサラダ用のフォークやスプーンなどのばあいには、サラダ油などの油を使って、布や皮などで磨くこともできます。木製の食器の場合には水性のウレタンニスなどもあります。

幼児が使う木のおもちゃなどの場合には、口に入れたりしがちですので、素地磨きだけで十分です。特に木のささくれなどが残らないように仕上げないといけません。磨くときや細かい作業をする際には、万力やクランプなどで固定して作業するとやりやすいです。


2016年1月10日日曜日

鑑賞 大原美術館の紹介

岡山の倉敷の立ち寄ることがあったら、ぜひ大原美術館に訪れてみてはいかがでしょうか。
コスモス

日本の美術館のなかでも来館者の多いことで知られています。それもそのはずで、東京の国立西洋美術館ブリジストン美術館などの松方コレクションなどと並ぶ、世界の名だたる画家のしかも代表作に等しい絵画まで所蔵する日本屈指の美術館のひとつです。

絵画の収集に当たっては画家の児島虎次郎の進言で、日本にまともな西洋美術のまとまったものがないことを資金面で支えた実業家の大原孫三郎氏に進言し、大原氏より一任されて何度かの渡欧の末に、苦労のうえで集めたものです。

なかでもエル・グレコの「受胎告知」は彼の代表であるこの作品が日本にあるのは奇跡に近いとよく言われています。

それから
モネの連作のシリーズから「睡蓮
ゴーギャンかぐわしき大地
ルノアール泉による女
セガンティニアルプスの真昼
などは大原美術館の代表作品というだけでなく、美術の教科書や画集などでもおなじみのそれぞれの画家の特徴が現れた時期の有名な作品です。

もちろん、ゴッホ、ピカソ、マチス、ミロ、カンディンスキー、ユトリロ、ロートレック、セザンヌ、シスレー、もろー、ミレー、シャガール、ブラックなど数え上げたらきりがないほどの世界を代表する作家の作品があふれています。

同時にここには日本を代表する画家の絵についても重要な絵画(国の重要文化財)があります。陶芸・工芸も有名です。


2016年1月9日土曜日

鑑賞 ミレーのまとめ

ミレーバルビゾン派を代表する画家です。彼について要点をまとめます。
マリーゴールド

ミレーは、パリで肖像画家として結構仕事がある画家でした。しかし人々がミレーの画業(ロココ風の女性像が多かった)を皮肉っぽくあざ笑うかのような言葉を耳にし、我に返ったといわれています。

その後は都会の喧騒に嫌気がしてパリを離れ、郊外のバルビゾンに家族を引き連れて移り住み、農民の生活などを描く画家となります。

その後は皆さんがご存知の代表作のひとつ「種まく人」[晩鐘」[落ち穂拾い」など傑作の数々を残します。この種まく人は彼が引っ越して最初の作でしたが、展覧会で画家たちに影響を与えることになります。

彼の絵には新しさがありました。それまでの新古典派でもロマン派の絵でもない彼の絵に新しさを感じ取ったのです。彼の絵は絵の対象がこういった世界にもあり、これこそが人間の生き様を捉えた絵だと評価を得ます。


バルビゾンは小さな村でしたが、画家たちが集まるようになり、一時は100人を越えるほどだったようです。パリの都会的な風俗よりも素朴な農村の情景を好む画家たちでした。

彼らはバルビゾン派と呼ばれるようになりました。ミレーのほかにコロールソーなどがいます。彼らの絵は貴族たちの趣味には合いませんでした。

代表作のひとつ「種まく人」は山梨県立美術館とボストン美術館にあります。

もっと知りたいミレー―生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)

2016年1月8日金曜日

油絵の具について

多少メーカーによって違いがありますから一概に言えませんが、次のような絵の具の色が初心者向けの12色のセットには含まれています。近い日本語の色を( )内に入れます。
シチヘンゲ


最初はどの色を選んだらいいのかわかりませんから、下にあげたような色が基本になる色ですが、買い足していくうちに自分の好みの色を探す楽しみがあります。

個人の色に対する感覚は様々なので、ご自分の好みの色を楽しんでください。以下の○の色には私の主観が入っている部分がありますから注意してください。だんだん買い足していくと、混色してはよくない組み合わせもありますから、おいおい学習していってください。

クリムソンレーキ(深紅色)
不思議な色です。赤紫のような透明色です。不透明色に重ね塗りすると厚みが出ます。影の部分で重ね塗りに使うと明るい陰影をつくることができます。黄色を混ぜると朱色になるはずなのですが、私には少し違う気がします。下の⑫のほうをよく使います。

ジンクホワイト○(白色)
ごく平凡な白色です。それだけいろいろと使いやすいです。どの色とも混色でなじみます。同じ白色でもチタニウムホワイトのほうが少し値段が高いですが、被覆力があります。

アイボリーブラック●(黒色)
本当に黒いです。炭の黒さです。したがって混色するとき混ぜ合わせるほうが負けてしまいます。

バーントシェンナ(茶色)
鉄さびの色です。酸化鉄が主成分ですからたしかにそのとおりです。インディアンレッドとともに肌色を混色で作る時に使います。

バーントアンバー(こげ茶色)
バーントシェンナと同じ酸化鉄が主成分ですがこげ茶色です。薄めると透明です。

イエローオーカー(黄土色、おうどいろ)
こちらも酸化鉄が主成分。乾燥に少し時間がかかるようです。夏場は気になりません。

ウルトラマリン(群青色、ぐんじょういろ)
古くはラピスラズリとして青色の高価な青金石から産出されました。現在は人工的につくっています。変色しにくい絵の具です。

コバルトブルー(青色)
鮮やかな透明さを生かす表現に用いることができます。変色しない色です。空の色にはセルリアンブルーが合うように感じます。

パーマネントグリーン(黄緑色)
見たままの色です。明るい調子の絵にしたいときに活躍します。

ビリジャン(?)
透明色です。したがってこの色を重ねると下の色が反映します(重層描法)。わたしは木々の緑にはサップグリーンの方をよく使います。

パーマネントイエロー(黄色)
鮮やかな黄色です。

バーミリオン(朱色)
スタンダードな感じの色です。私にはカドミウムレッドのほうがオレンジがかって見えます。ウィキペディアなどで「朱色」といれるとじつにさまざまな色が出てきて困ってしまいます。朱肉の色です。

いずれにしても透明色はペインティングオイルなどで薄めると、その透明な感じが表現できます。

あまり使いませんが、紫色を表現したい場合には赤色と青色を混ぜて作ると、彩度が十分でないと感じることがあります。そこで、パーマネントバイオレットなどの紫色の市販品を使うほうがいい場合もあります。

最近は水で溶ける油絵の具があり、油絵の具やペインティングオイルそして水彩絵の具とも混ぜることができます。そこで紫色(バイオレット)に関してはこちらのほうが鮮やかで使っています。

赤色がないじゃないかと思われる方もいらっしゃるでしょう。赤色はさまざまです。私の絵の具箱には赤のつもりで、ブライトレッドが入っています。

ほかに茶色にはベネチアンレッド、緑色ではマツダグリーンディープを使っています。



2016年1月6日水曜日

油絵の用具

最低限、油絵をはじめようと思い立ったら、画材店でコンパクトな画材セットを購入して使うとよいでしょう。
コスモス

これ自体が絵の具箱として携帯できますから、外で使う場合にも便利です。高校の美術の授業では油絵を取り上げるところもあるようですね。

中身は、
*絵の具(12色セット)
*ペインティングオイル(小瓶)
*油壺
*ペインティングナイフ(2種)
*二つ折りパレット
*筆(ブタ毛、34本)
*筆洗容器

などです。セットの種類によって内容物は多少違いますが、数千円出せば買えるものです。バラで買うとセールの時期以外はおそらく高くつくと思います。

当面これにキャンバス(裏に垂木をわたしてあるもの)を2,3枚持っていれば、描くことができます。消耗品として別途、筆洗液、ペインティングオイル(少し大きめの瓶入り)、テルペン油(瓶入り)、ルツーセ(スプレー缶)などがあるといいでしょう。

テルペン油はペインティングオイルがねっとりして描きにくい場合に少量加えると、絵の具の伸びがよくなります。ルツーセは描きかけでつやがなくなったときにスプレーしてつやをもどしてから描きはじめると描きやすいですし、絵の調子や色を確認できます。

キャンバスもキャンバス地を多めに買ってきておいて、木枠に自分で貼る練習をするといいです。ずいぶん安上がりにつくることができます。自分の描きやすい張り具合などを調整することができます。そのための道具も画材店に売っています。

室内、屋外で形式が違いますが、イーゼル(画架)があると、絵を描くとき高さを変えて据え付けて描けますので重宝します。これは油絵に限らず他の絵を描くときにも使えます。

外でスケッチが多い人は、クリップやコマで絵を内側向きに2枚を合わせておくと汚れませんし、持ち運びも容易です。

あとは古布(綿のものが使いよいです)をよく使います。画面の絵の具をふき取ったり、筆をぬぐったり様々使います。

あとはキャンバスに下書きをする際に用いる木炭もあるといいです。木炭は画面から落ちやすいので、フィキサチーフ(定着剤)をスプレーすると剥落(はくらく)しなくなります。







レンブラント 油絵具 ラグジュアリーボックス 16色 410847
油絵 カスタムN-2BSセット (パレット付き木箱)

2016年1月5日火曜日

油絵の溶き油の使い方

油絵についてのお話をします。油絵の具は絵の具を溶くのに水を使いません。その代わり薄めたいときには、溶き油を使います。テレピン油という松の木から得られる油に適量の乾性油を混ぜて使います。

ここで不乾性油と乾性油のお話をしないといけません。油には長時間置いておくとかたく固まってしまうタイプの油(乾性油)と、ほとんどさらさらのままで揮発しやすく固まらない油があります(揮発性油、不乾性油)。

溶き油の種類
*不乾性油(揮発性油)の例…テレピン油、ペトロール
*乾性油の例…ポピー油、リンシード油
*ワニス…パンドル、ルツーセ

ぺトロールは石油から得られますが、その他は植物油です。3つめのワニスはニスともいい、絵につやを与えます。絵の具の乾きを良くし、固い層をつくることもできますから上塗りにも使います。

このように油絵は時間をかけて乾燥させていく絵の具を使います。つまり乾性油を中心に固める働きをしますが、それだけでは描きにくいので、さらさらの不乾性油を混ぜて絵の具の伸びをよくします。

溶き油の混合の一例
描き始め…テレピン油:パンドル=3:1
途中…テレピン油:パンドル:リンシード=3:1:1
仕上げ…テレピン油:パンドル:リンシード=3:2:2

のように、各々の油の比率を変えて次第につやを帯びるように、そして堅牢な絵の具の層を作っていくようにします。どうしてそのようなことをするかというと、テレピン油が多すぎると時間が経つにつれて、画面にひび割れが目立つようになります。しかも乾くにつれてつやも消えてしまうからです。

そこで上であげたルツーセ(使いよいようにスプレー缶になったものがあります)でつやを出しておいてから描き足すようにする場合もあります。

最近は①と②の過程で汎用として使いやすいように、すでに混ぜ合わせてある溶き油(ペインティングオイル)が市販されています。これを使うとわずらわしい調合をしなくても快適に描くことに専念できます。しかし、油壷を開けたままにしておくと、揮発性の成分が揮散してしまい、ねっとりしたペインティングオイルのなってしまうことがあります。

こうしたときはペトロールかテレピン油を少し足して絵の具の伸びをよくします。したがって、揮発製油の小さなびんを用意しておくと、こうしたときに使えます。

それから逆に、上にあげたワニスを余分に混ぜますと、油絵独特のしっかりしたつやがあらわれます。少しねっとりしていますので②や②の段階で少しずつ比率を上げて用いるようにします。

筆についたままの油や絵の具はそのままにしておくと固まって筆として使えなくなってしまいますから、このようにしてきれいにします。

筆についた余分な絵の具を古布でぬぐいます。
ペトロールを十分に入れた筆洗に入れてしっかり落とします。最近は筆洗液として売られているものもあります。ぺトロールに水を等量入れて密閉できる容器に入れると携帯に便利です。水を入れておくと2層に分かれてペトロールをいつもきれいな状態に保てます。ペトロールをきれいな古布でぬぐい乾燥させます。
このあと水で石鹸をつけて筆先を洗い乾燥します。この水洗いは3度使ったら1回行う程度で構いません。動物の毛の筆は洗いすぎると腰が無くなるからです。





2016年1月2日土曜日

スケッチの楽しみ その2

ある川のほとりにスケッチに行ったときの話です。列車での旅行です。ある駅で降りて、あてどもなくてくてく歩いていると、護岸工事などまるでやっていない川の橋の上です。乗る予定の列車までにはまだ時間があります。
日の出

周囲は田園地帯で遠くの山々には新緑の緑が鮮やかでした。川はその山々の間から流れ出てているようでした。上流をたどろうかなとも思いましたが、それはやめにして周囲を見渡すと、人家の点々とある田園風景。どこをスケッチしても絵になります。

のどかな日曜日の午前中ですから、行き交う人も全くいません。ひばりが空高く鳴いています。何十年もこのままで時間が止まったかのような場所です。橋の上ですが歩道も十分広く邪魔になる場所ではなかったので、川と山々を入れてスケッチすることにしました。

ほどなく4Bのえんぴつでスケッチが終わり、携帯用の水彩絵の具と筆を取り出し色を軽く塗ろうとしていたとき、はたと困ってしまいました。水がありません。川に下りほんの少し水を汲めればいいのですが、下って行けそうな場所ではありません。

さあ、どうしようと思い、「そういえば…。」と肩に下げたリュックの中にウーロン茶のペットボトルがあるのを思い出しました。そこから筆洗に少しだけとり、テッシュで筆をぬぐいながら色を変えて難なく塗り終えました。淡彩でしたのでそれで十分でした。

それから時間がたっていますが、色はそんなに変化していません。だれもこれをウーロン茶で描いたなんておそらくわからないでしょう。