2016年1月25日月曜日

日本画の筆と刷毛

日本画の絵の具とその溶き方、膠液の作り方、紙、紙のドーサ引きと紹介してきました。
今日は日本画で使う筆や刷毛について説明します。
インパチェンス

彩色筆
柔らかい筆です。面を彩色する際に使います。羊毛でできています。大きさには様々あります。たらしこみやぼかしの技法を使うには、数種類、数本持っておく必要があります。

隈取(くまどり)筆
ぼかし筆ともいいます。水を含ませて、ぼかしの表現を行うときに使います。筆先は丸くなっていて自然にぼかしの表現ができるようになっています。


線描筆
(1)面相筆
人物の顔や衣服などの細かな線で描く表現でよく用います。
(2)骨描(こつがき)筆
こちらも極細の筆で細かな線描表現に使います。

平筆
絵の具をよく含むので、色面を塗るときに用います。

付立(ついたて)筆
つけたて描法や線描に用いる長い筆です。絵の具の含みがよいです。

刷毛(はけ)
絵刷毛は広い面を塗る際に用います。ドーサ引きを行うにはドーサ刷毛を使えます。水刷毛は水を含ませて使います。空刷毛は砂子(すなご)を蒔いたあとの余分な砂子を落としたり、金箔や銀箔を貼る際に、最後に余分な重なりを落としたりする際に使います。

それぞれの筆をこうした技法に必ず使わないといけないというわけではありません。ただし、基本的には、それぞれの用途に合った筆があります。使い方に慣れて来たら、さまざまな筆を試してみて、自分に合ったものや、新しい使い方を試みてみても面白いかと思います。

そのほかにも洋画やアクリル、トールペイントなどにつかうナイロン筆や洋画用の動物の毛を使った柔らかめの筆なども柄を少し短くすれば使いよいものもあります。これらは自分がもっとも表現したいものに合った、書き味の良いものを使えばよいので、一概にこれをというわけではありません。ドーサ引きなども、ホームセンターの塗装用の仕上げ用の刷毛のなかには非常に使い勝手のよいものも見つけることがあります。こうした発見もなかなか楽しいものです。



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