2016年5月10日火曜日

風景画を描く自由

風景画を描くときに、描きにくいと感じたことはありませんか。そんなときにはこのようにやっても構いません。


風景画は見たとおりに描く必要はありません。形や陰影を正確に描く練習はデッサンで行えばよいことで、風景画ではそれはあてはまらないこともあります。


風景画を描くときは、そのデッサンのときの正確さはある程度省いて構いません。


つまり、風景の中に電線が見えていたとします。見取り枠の中の風景をどう切り取っても電線が入ってしまうというときがあります。それを忠実に描く必要は全くありません。


自分が気に入って、構図もよければ電線を描かないでいいし、屋根がわらの枚数が合ってなくてもいいです。見たままの色でなくて、自分が感じるまま、ぬりたい色をぬればいいです。そして輪郭線に忠実描く必要もありません。


基本的に絵を描くときは自由です。やっていけないことはほとんどありません(ただしテーマやねらいがある場合は別です)。風景画もそうです。自分の表現でいいです。


さらに省略したり、場所を変えて構図をよりよくしてもいいです。風景とは自分が得た感動を、絵の表現によってより味わいやすくする働きがあります。


したがって見たままでは、感動をそがれたり、興味が薄れたりするものは省いて構いません。


また、木々や植物の生長の勢いなど自然の素晴らしさ、荒々しさなどに気付いたら、その勢いを自分の描く線や色に表してみましょう。


感じたままを表現できることはすばらしいことです。それを表現できたとしたら、あなたは絵の才能にあふれていることになります。


風景のすばらしさや、形や構図の面白さが絵を見る人に伝わり、感動をともに味わえるように描けるととても楽しいです。すばらしい絵とはそういうものと考えます。







2016年5月9日月曜日

漫画家になりたい2

「漫画家になりたい」は反響がありました。そこでさらに書いてみました。わたしはマンガの関係者でも何でもありません。

そのことだけは断っておきますし、そのつもりでお読みください。そしてこれは漫画家だけでなく画家などの芸術家についても同じことがいえると思います。


最近の漫画家は、絵を描く人とマンガの筋書きというか、内容というかそういう分業になっている場合もあります。


しかし、当面は自分で内容もあれこれ練って、絵も描いていくことでしょう。キャラクターもごく平凡なものでは、この漫画どこかでみたような・・・ということになってしまいます。


それに漫画を描く技術は、やはり描き続けることで上達します。プロの作家でもコミックの最初のほうと後半のほうでは絵が違う人も多いです(これはアシスタントなどの助力もあるかもしれませんが)。


したがって、マンガについて基礎を学ぶことはとても大切です。さまざまな技術的なことも必要になります。


それからこちらも大切なことですが、世の中のしくみや社会のことに興味をもち、関心を高めておくことも大事です。


なぜなら、今の人々が何を求めてどんなことに感動し、何を面白がっているかを知ることは、マンガを作る上でとても大切だと思います。


それが直接自分が書く漫画に役立つことはそんなに多くないかもしれません。しかし、どんなことでも広いアンテナを張り巡らし、さまざまなことに興味を持つことは大事です。


ものごとを面白がる性質は、漫画家が備える最も大切な特質ではないでしょうか。つまり何を面白がるかをよく知っているということです。これはセンスかもしれませんし、才能かもしれません、独特の嗅覚を通じて養われることかもしれません。


したがってここでは何もその特質についてとやかくは言いません。でも、少なくとも絵を描くこと(背景も含めて)にあくなき探究心を燃やし続けることができるか(一生かもしれませんし、仕事にするならば生活がかかっていることもお忘れなく)を、よく自覚した上でやり続けことになります。


本当にマンガで収入を得ている人は、細い細い三角形の頂点の、そのまた上の見えなくなった先ほどでしかありません。そしてマンガだけで生活ができている人はそのまた上の三角形の頂点の先でしかありません。


プロとなるために、そこまでの情熱をもちつづけることができるか、それとも趣味として他の仕事のかたわら、漫画を描くことを楽しみとするかのいずれかです。









2016年5月6日金曜日

読まれている記事

このブログにはすでに130あまりの記事があります。このなかでもっとも読まれているのは、構成美の要素やモダンテクニックに関する説明や練習問題です。


もちろん、これらの記事は美術のもっともよく利用される手法に関する分野ですから、当然といえば当然かもしれません。


私が具体例に示した図が適切かどうかはわかりませんが、具体的になるべくわかりやすくしようと言う意図があることはご理解ください。


それから、鑑賞については著作権の問題を避けるわけにはいきません。著作権を違反してまで、ブログに載せようとは思いません。


これらの記事の説明で掲載している画家の作品などは、ご面倒かもしれませんが教科書や資料集、画集などで確認しながら学習をお願いいたします。


あとは「構図」に関する記事がよく読まれています。皆さん絵の構図に苦労されている様子が目に浮かびます。


絵をたくさん描いていくうちに、だんだん構図に関しては身についていく機会が出てきます。アドバイスをもらえる方が身近にいる場合には絵を見てもらって意見をもらいましょう。