2018年12月28日金曜日

日本の伝統的な色 (その2)

日本には周りの身近な自然から取り入れた伝統的な色がいくつかあります。どの色も落ち着きのあるいい色です。やはり日本の風土や自然に根付いて親しまれたものが多いのだと思います。

それではネット上でどれだけ再現できるかどうかわかりませんが、いくつか代表的な色について紹介したいと思います。「え~これ違うよ」という方もいらっしゃると思いますが、私の能力では画面上に表現できる精一杯です。どうかお許しを。鶯(うぐいす)色など表現できるものなのでしょうか。

こうして見ると、言葉の語感や音も美しいです。しかし文字の読みや書きも難しいものが多いですね。色の後ろの言葉はあくまでわたしの感想です。

茜(あかね)色:アカネの根で染色したときの色。ややしずんだ赤というところ。

藤(ふじ)色:藤の花の色。

瑠璃(るり)色:七宝のひとつで青いの宝石の色、紫色を帯びた藍色でしょうか。

茜色,藤色,瑠璃色


緋(ひ)色:濃い明るい赤のことです。濃い紅色。

蒲(かば)色:ガマ(蒲)の穂の色です。赤みを帯びた黄色です。

鶯(うぐいす)色:ウグイスの背中の色。緑に茶と黒を混色した感じ。うぐいす茶。
緋色,蒲色,うぐいす色


青竹(あおたけ)色:文字通り青い竹の色。

琥珀(こはく)色:木の樹脂が固まったものの色。紅茶の飴のような色。

萌黄(もえぎ)色:ネギの萌え出るような青と黄色の間。黄緑かな。
青竹色,琥珀色,もえぎ色


浅葱(あさぎ)色:うすいネギ、葱(き)の葉の色のこと。うすい藍色、水色のこと。

縹(はなだ)色:うすい藍色のこと。露草の異称が縹草なのでツユクサの花の色かな。

黄蘗(きはだ)色:ミカン科のキハダの樹皮で染めた色。鮮やかな黄色です。


浅葱色,はなだ色,きはだ色

2018年12月16日日曜日

色相環の練習問題

色相環について練習問題をつくりました。いま習っている人は復習に使ってみてください。

1.次の文の( )に適当な語句を入れよう。( )内に選択肢がある場合には正しいほうを選ぼう。

上の図のように、色を色相の違いで順番に(①三角 円)形に並べていくと、元の色に戻ってきます。いずれも(②無 有)彩色で色みの(③遠 近)い色どうしが隣り合っています。この色相の環(わ)のことを( ④ )といいます。

色相環をながめてみましょう。資料集などカラーのものを見ながら読んでいただけるとわかりやすいと思います。

例えば「赤」。この「赤」から円の中心を通って反対側には、何色がありますか?「( ⑤ )」です。そうですね。

このようにちょうど反対側にある色相のことを( ⑥ )色といいます。例えば「( ⑦ )」の補色は、「きみのだいだい」です。だいだいとはミカンの仲間で橙(だいだい)という果実があります。

まさにこの果実の色がだいだい色です。この「きみのだいだい」とは黄色みのあるだいだい色という意味です。

答え ①円 ②有 ③近 ④色相環 ⑤青緑 ⑥補 ⑦青 

2018年12月15日土曜日

イラストについて

言葉だけよりも絵や図を取り入れると、より効果的に考えや意図していることを人に伝えることができます。

そうやってとりいれた絵や図をイラストレーションといいます。イラストにはさまざまなものがあります。描き方や表現には、様々な技法が使われます。

これまで美術で習ってきたモダンテクニックやレタリング、構成美の要素などをとり入れて、目的にかなうイラストレーションにしてみましょう。

たとえば、本の表紙には多くの場合、さし絵があります。そこには様々なイラストレーションが描かれています。

本の場合には、その本に書かれた内容に関係するイラストレーションが使われることがあります。本をとる人が表紙でその本の内容に興味を示すことにつながります。

また、デパートの包装紙や手提げ袋なども様々なデザインのものがあります。中に入っている商品を引き立てる役割とともに、その商品を売る店のイメージを伝える役割もあります。

よくできたイラストレーションやデザインはその店のイメージや印象を引き立てる効果をもちます。


同じイラストレーションの対象でも表現法(技法、配色、画材、形のとり方など)によって、様々な表し方ができます。

2018年12月14日金曜日

レタリング練習問題3

文字のデザインのレタリングについての練習問題です。

1.次の問いに答えよう。

(1)文字をレタリングするうえで、ふさわしいものには○、そうでないもには✖をつけよう。
 ①( ) 明朝体の横書きには「うろこ」をつけます。

 ②( ) 明朝体の横の点画は細く描きます。

 ③( ) 公式の文書や目上の方向けの案内には、手書き風のフォントを使うといいです。

 ④( ) ゴシック体のほとんどすべての点画は同じ太さで描きます。

 ⑤( ) 「かな」は漢字に比べて少し大きく書くとバランスがとれる。

 ⑥( ) レタリングでは、「I」や「1」でもほかの文字と同じ間隔をとります。

 ⑦( ) 寄席や相撲の文字は、現代的な字体のフォントといえます。

 ⑧( ) 案内状やポスターの文字のサイズや太さには、同じもべつのを使ってメリハリを付けた方が、見やすいです。


答え(1)①○ ②○ ③○× ④○ ⑤× ⑥× ⑦× ⑧○

2018年12月10日月曜日

ドライポイントの練習問題

ドライポイントについて、期末テストがある場合には、しっかりおさらいしたあとに、理解できているか下の問題を解いてみましょう。

1.つぎの文の( )に適当な語句を入れよう。
版画には凸版と凹版があります。このうち( ① )版のドライポイントはじっくりつくることのできる版画の代表です。同じ凹版ではほかに( ② )という手法もありますが、薬品を使ったり手順が多かったりで少し難しめです。


その点、ドライポイントは( ③ )などのうすい板を先がとがった( ④ )で彫りそのまま版にするという簡便さがあります。

を使いますから非常に細かくそして表現力豊かに彫り上げることができます。彫ったところが輪郭線のように( ⑤ )く表現されます。

版ですから、彫った場所にインクが入ります。したがって彫っていないところは( ⑥ )く抜けるべき場所ですから、普通はしっかりふき取ってから彫った場所だけにインクが残るようにします。

そして紙とともに( ⑦ )機にかけて版を刷ります。刷る紙は湿らせておきインクを吸うようにしておき、プレス機にかけます。

彫る際の④の使い方にコツがあります。インクをしっかり彫った場所に入れるためにはニードルをしっかり( ⑧ )て使うようにします。


ドライポイントは版を直接彫りますので、( ⑨ )法といいます。( ⑩ )刷りをしてみて彫りが十分でないと感じた場合にはさらに版を彫り、もう一度インクをつけてプレス機にかけるようにします。⑩刷りのあとに行う本番の刷りの方を( ⑪ )刷りといいます。

答え ①凹 ②エッチング ③塩化ビニール ④ニードル ⑤黒 ⑥白 ⑦プレス ⑧立て ⑨直接 ⑩試し ⑪本 



ドライポイントは版を直接彫りますので、直接法といいます。彫りが十分でないと感じた場合にはさらに版を彫り、もう一度インクをつけてプレス機にかけるようにします。


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2018年12月8日土曜日

版画の練習問題

版画についての試験対策問題です。版画についてよく復習をしてから、確認のために以下の問題を解いてみてください。

1.次の文の( )に適語を入れよう。

版画には木を彫る( ① )画、塩化ビニル板をニードルで引っかいて描く( ② )、銅の板にグランドをかけてニードルなどでかき取り、現われた銅を腐食させる( ③ )の手法を用いた( ④ )画、水と油の反発を利用した平版の( ⑤ )、孔版の( ⑥ )など様々な技法があります。それぞれ特徴があり表現の幅も広いです。

その代表として木版画について紹介します。木版画は木の平たい板に( ⑦ )刀で彫って作ります。ふつうは( ⑧ )版として、高い部分である⑧の部分にインクや絵の具をつけて、紙を置き( ⑨ )でこすってインクや絵の具を移しとります。

答え ①木版 ②ドライポイント ③エッチング ④銅版 ⑤リトグラフ ⑥シルクスクリーン ⑦彫刻 ⑧凸 ⑨ばれん 

2.次の問いに答えよう。
(1)版画はいったん版を彫ると、インクをつけて何枚でも紙に刷ることができます。部分ごとに絵の具の色を変えて乾かしながら重ねて刷ることもできます。このいろいろな色を使って刷る版画の手法を何刷りといいますか。

(2)日本では江戸時代に浮世絵が版画で多色刷りの手法で刷られるようになりました。これを特に何といいますか。

(3)次の版木にする木の種類にはそれぞれ特徴があります。この中でとくに他と違って堅い材木はどれか。記号で答えよう。
 ①シナ ②ホオ ③カツラ ④サクラ

(4)版画の版木に使う木材のうち、①木口できった材木と、②板目で切った材木ではどちらが彫りやすいですか。

答え (1)多色刷り (2)錦絵(にしきえ) (3)④ (4)②

3.次の版画はそれぞれ陽刻と陰刻のどちらですか。

4.次の文の( )に適当な語句を入れよう。
単色の木版画の方法を説明します。テーマを決めたら( ① )絵を柔らかい鉛筆(4B程度)で描きます。裏返して( ② )木にこすりつけます。すると鉛筆で描いた①絵を版木に移し取ることができます。その絵に対して、黒く残す部分を( ③ )をします。このとき黒、白のバランスや、つながりを考えて③をします。

そして彫ったあとがわかりやすいように、全体に( ④ )を塗ります。その④の部分を彫っていきます。彫りがうまくいっているかどうかは、紙を重ねて、柔らかい鉛筆で紙の上からこすってみることで、ある程度判別できます。彫り終わったら、彫った木のかすをよくかたづけてから、版画を紙に刷る( ⑤ )の工程に入ります。

インクを( ⑥ )にまんべんなくつけたら②木に⑥を軽く転がし、凸部にまんべんなくインクをつけます。湿らせておいた紙の角を正確に見当に合わせて重ねます。上から( ⑦ )で刷り、中心から外側に向かってまんべんなく刷ります。刷りが薄い場合には一部を重ねたまま、紙を引き上げ、版木に⑥のインクをのせて( ⑧ )刷りしてもよいです。


答え ①下 ②版 ③墨入れ ④薄い墨 ⑤刷り ⑥ローラ ⑦ばれん ⑧2


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2018年12月4日火曜日

版画の練習問題(その2)

版画についてのリクエストが多いので練習問題をさらに作りました。

問1.次の文の( )に適当な語句を入れよう。

(1)版画の種類
a( ① )版…輪郭線の周囲を彫り、彫らなかった部分にインクをつけ、版画に刷ります。この方式の版画には木版画、ゴム、紙の版画によく使います。

b( ② )版…輪郭線の部分を彫刻刀で彫り、その部分にインクを付け、版画に刷ります。この方式の版画にはエッチングやドライポイントに使われます。

c( ③ )版…油と水が混ざらないことを利用します。油の部分にインクを付けて版にします。石版のリトグラフなどで用いられます。

d( ④ )版…版につくった穴よりインクをを通して版画とします。シルクスクリーンやステンシルで用いられる技法です。

答え ①凸 ②凹 ③平 ④孔  

問2.次の彫刻刀の名前を答えよう。
a)細かな線やしっかりした線を彫るときに使われます。刃がVの字になっています。
b)太くて柔らかい感じに彫れます。
c)ぼかしたり、かすれたりするような表現ができます。
d)細い線を彫るのに使われます。刃の先がとがっています。

答え (a)三角刀 (b)丸刀 (c)平刀 (d)切り出し

問3.次の文の( )に適当な語句を入れよう。

版木を彫っていくときには、きれいに彫れたかどうかチェックする方法があります。紙に鉛筆をこすりつけ、版木の模様を写し取り裏側から透かして見てみます。その様子からきれいに彫れたか、そして彫り残しなどがないか確認します。

( ① )刻:版画には輪郭線を残すようにして周りを彫っていく方法です。
( ② )刻:輪郭線を彫って周りを残す方法です。

陽刻は( ③ )い雰囲気になりやすく、陰刻は暗い様子になりやすいです。版木にインクをつけ、紙を重ねて紙の上からばれんを使って、紙の中心から円を描くように刷り、端に向かって四隅まできちんと刷っていきます。

答え ①陽 ②陰 ③明る









2018年11月22日木曜日

粘土でつくるの練習問題

粘土による製作について学習した後、以下の問題で確かめをしましょう。

1.次の粘土製作に関する文の( )に適当な語句を入れよう。

粘土でさまざまな像をつくってみましょう。粘土のような形を自由に形作ることのできる素材を( ① )棒などに覆ってつくる像のことを( ② )といいます。

石や木を彫って作る( ③ )と比べて粘土の場合には自由に削ったり( ④ )たりできますので、加工が容易です。

答え ①心 ②塑像 ③彫像 ④足し

2.粘土にはおもに3種類あります。次の文は油粘土、水粘土、加工粘土のうちのそれぞれどれに関する文章ですか。それぞれ答えよう。

紙粘土や合成樹脂の粘土。扱いやすいです。
油で練ったもの。そのまま置いておいても固まることがありません。
細かい粒子の土です。乾燥するとひびが入りやすいです。

答え ① 加工粘土 ② 油粘土 ③ 水粘土

3.次の文の( )に適当な語句を入れよう。

粘土は( ① )の上で扱います。そして粘土を扱う際には手も使いますが、それ以外に( ② )を使います。心棒は針金や木材にしゅろ縄や( ③ )ひもを巻いてしっかりと作ります。

こうした縄は粘土の( ④ )をよくするために用います。そして心棒は粘土板にしっかり( ⑤ )します。

粘土のつけはじめは、あまり( ⑥ )いことにはこだわらないで、粘土を心棒にしっかりつけることを優先してつけて行くようにします。

つけた粘土の上に何度もへらで( ⑦ )をし直しながら、修正を加えます。足りないところには粘土をつけ、多いところはへらで( ⑧ )ます。

そして、向きや形、方向などを様々な位置から見て、部分と全体が( ⑨ )するように作っていきます。

粘土を扱うときには基本的に( ⑩ )ぐらいのかたさが一番使いやすいです。油粘土以外は水を加えてかたさを調節します。手にべたべたとついてくる粘土はやわらかすぎです。

製作の途中の像は( ⑪ )を巻きつけて、ビニール袋で覆い密封しておくと乾燥しにくいです。


答え ①粘土 ②へら ③麻 ④つき ⑤固定 ⑥細か ⑦デッサン ⑧削り ⑨調和 ⑩耳たぶ ⑪ぬれた布 

2018年11月19日月曜日

彫刻についての説明

年賀状に版画をやった人もいたかもしれません。ここでは主に木や石を彫る彫刻について説明します。

彫刻は大きく分けると、その技法によって2つの種類に分けられます。形が自由にできる可塑(かそ)性のある粘土などのような素材を、木や針金を心棒にして、紐などを巻きつけた上にぺたぺたとくっつけて製作するものを塑造(そぞう)といいます。それに対して石やのかたまりなどを彫ってある像を作ることを彫造といいます。

たとえば粘土でレリーフ(浮き彫り)を作る際に、粘土板に木片をくぎで打ち付けるは、粘土が落ちてしまわないようにするためです。

それから木などでレリーフを作る場合には、立体の持つ厚み奥行きなどが十分感じられるように、その表し方を工夫しながら製作する必要があります。

ここまでをまとめますと、
(1)塑造モデリング…骨組みに粘土など材料をくっつけていく方法。つけたリ取ったりなどの修正が可能です。大きな面で捉えていくことがポイントになります。


(2)彫造(カービング)…木や石などのかたまりを外から彫っていく方法。必ず途中で何度も離れて見て、バランスを考えます。次にどこを彫ればいいか印などをつけていくといいでしょう。彫りすぎると修正ができません。したがってあらかじめ、デッサンなどを繰り返して構想をしっかり練ったうえで、製作するとうまくいきます。

2018年11月16日金曜日

モダンテクニック練習問題3

モダンテクニックに関する問題を作りました。各技法の名前をその特徴とともに覚えましょう。

問1.次の問いに答えよう。
(1)紙に絵の具をたらす手法を何といいますか。

(2)スパッタリングの方法を短い文で説明しよう。

(3)マーブリングに使う絵具は、水の(①表面 ②中 ③底)におき、模様を描きます。

(4)紙に絵の具を置き、折りたたんで偶然できる模様を利用する手法を、次から選んで記号で答えよう。
 ①レタリング ②グラデーション  ③デカルコマニー ④シルクスクリーン

(5)コラージュの手法を説明した文としてふさわしいものを次の中から記号で選ぼう。
 ①石の上に絵の具を置き、水と油の反発の力を利用して行う版画手法。
 ②図や写真、絵などを切り取り、貼っていき、一つの作品にする貼り絵の手法。
 ③床のキャンバス上で、体に絵の具をつけて、そのうえで動いた様子を描く手法。


答え (1)ドリッピング (2)紙の上で、網目の模様の金網やプラスチックなどに、絵の具をつけた歯ブラシなどをこすりつけ、飛沫になって絵の具が飛び散らせる。(3)① (4)③ (5)②

2018年11月15日木曜日

色の練習問題2

色について練習問題をさらに作りました。

問1.次の問いに答えよう。

(1)色の中で色みのある色と、色みのない色をそれぞれ何といいますか。

(2)無彩色のうち、もっとも明るい色は何色ですか。

(3)色の3要素を三つとも答えよう。

(4)次の説明の表す言葉を答えよう。
 ①色の鮮やかさのこと。
 ②色あいのこと。 
 ③色の明るさのこと。

(5)純色に灰色の混ざった色を何といいますか。

こたえ(1)有彩色、無彩色 (2)白色 (3)彩度、色相、明度 (4)①彩度 ②色相 ③明度 (5)濁色


2018年11月7日水曜日

木彫をつくる

前日に説明した「木で作る工芸品」のところで説明した部分と一部で重複するかもしれません。

木や石を彫ることを彫造(ちょうぞう)といいます。前回の粘土で像を作る塑像(そぞう)と違って彫りすぎたからといってつけ足すことはできません。そこが彫造の少し難しいところかもしれません。

木を彫るときにはいくつか気をつけることがあります。木は自然のものですから、その材質は一様の性質ではありません。場合によっては節があったり、木目が詰まったところは堅かったりしてとても彫りにくいです。

しかしそれだけ木に独特の味わいが出せます。無事に彫り終えたときには作品に愛着が増すことでしょう。

木彫に使う木は、ヒノキ、クスノキ、カツラ、ホオ、サクラなどがよく使われます。彫りやすく手に入りやすいのと、いずれも木目などが美しいからです。

木彫は木づちとのみで彫り進めます。最初は大まかにあら取りをします。その際はのこぎりなどを使っても構いません。彫りの途中でも形を整えるためにデッサンをし直すこともあります。

木の場合気をつけないといけないことがあります。のみは刃表を彫り残す側に向けて使います。裏を使って彫ると木の木目に逆目になると刃が深く入りすぎます。ささくれをつくってしまいやすいので注意します。

木彫の場合はふつう、彫りあとの風合いを生かすためやすりがけなどはふつうしません。先日の木の工芸品の場合にはやすりがけをすることがありますが、この木彫の場合には彫り跡をそのまま生かすようにします。


したがって、仕上げに向かうにつれて、彫りを細かくして彫り出していきます。細かいところは彫刻等や切り出し刀を使って彫ると彫りやすいです。


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2018年10月25日木曜日

レリーフの作り方の練習問題

レリーフを作っている学校もあることでしょう。ひと通り学習したら、以下の問題で理解できているか確かめましょう。

1.次はレリーフに関する文です。( )に適語を入れよう。
レリーフは( ① )ともいいます。ほぼ平面に当たる面に形が浮き上がるように彫っていくものです。彫刻の( ② )彫りとは違います。


レリーフの彫りの深さによって次のつがあります。
(1)( ③ )
(2)中肉
(3)( ④ )
(4)肉合彫り
それぞれ深さにちがいがありますが、(3)は最も彫刻の彫りに近い形状です。(1)はほんのわずかに彫るだけで立体的に見えるようにします。(4)は( ⑤ )面を掘り下げるようにします。

レリーフで奥行きを表現する際には、なるべく立ち上がる部分を( ⑥ )に近くなるようにします。上の表面の部分はなるべく平らな( ⑦ )面にするようにします。


答え ①浮き彫り ②丸 ③薄肉 ④高肉 ⑤平 ⑥垂直 ⑦平


2.次はレリーフの一般的な作り方です。正しい順番に記号を並べよう。
木の板でレリーフを作る手順について順番に書いていきます。

)光のあたり具合で立体の様子に間違いがないか確かめ細かなところを仕上げます。
(2)木の板にスケッチを写します。
)対象になるものをよく観察してスケッチを描きます。
)背景を彫り下げるように削り、次に深くなる部分についてります。


答え (3)→(2)→(4)→(1)









2018年9月30日日曜日

そぼくだけど心ひかれる絵

多くの皆さんは、絵を上手に描きたい、どうやったら思った通りに描けるのだろうと一度はお思いになったことでしょう。

さて、その結果はどうですか。世の中の人々の多く、これには画家も含めてかもしれませんが、その目標や夢はなかなかかなえられていないかのようです。

じつは多くの人にとって絵を上手に描きたいというのは画家のように描きたいあるいは、画家のようには描けなくてももう少し思った通りに描きたいということだと思います。

それが最近では、そうでもなくなっている部分もあります。私の親しんでいる作家のひとりが椎名誠です。

この人の表す書物の多くに挿絵を描いているイラストレーターに沢野ひとしがいます。じつは二人は幼馴染です。

椎名氏は、沢野氏の一見頼りなげに見える絵を「グラム何円」といふうに最初は買っていたという逸話が残っています。椎名氏は沢野氏の絵を評価して自分の著作に使っていたことになります。

しかし、沢野氏はこの自分の絵のスタイルを確立します。この頼りなげな絵が世間の評価も得たことになります。決して従来の絵の価値観からは、評価の対象にすらならないタイプの絵です。

したがってこのようなタイプのイラストや絵は、この2021世紀の世界ではごくふつうになりつつあります。絵に対する価値観が大幅に変わり、世の中の人もそれがごく当たり前と思えるような時代になったといえます。

これを最初に世に出した人はさぞかし勇気がいったのでは、とお思いかもしれません。じつは西洋にもアンリ・ルソーなど「素朴派」などと呼ばれている画家がいます。

彼は、かなり年齢がすすんでから絵を描くようになります。しかもそれは独学で我流です。まわりの人々は最初は、彼のデッサンや絵のおかしな点を指摘することに終始します。

でもピカソやゴーギャンは違いました。彼の絵の持つ独特の世界観に築いてピカソら自身にはないものを発見したといわれています。

それ以降、彼の絵の本当の価値に気づいた人々が増え、彼の絵は一定の価値と美術史上に名を遺すまでになりました。

こうしたタイプの絵が世に認められ、世界中の人々が愛好する対象になってきました。

このブログでは何度かこのことに触れてきました。もはや絵はうまく描くことや、そっくりに見えることのみの価値観だけで表されるものではありません。

様々な価値観があり、それは絵を描く人の個性や考え方の多様性の現れです。

ですから、基本的にどのように描いてもいいのだということです。ただし、無茶苦茶にやっていいということではありません。

支離滅裂とスタイルを確立することを混同し、はき違えてはいけません。無茶苦茶では長続きしませんし、人々の感動や共感も得られないでしょう。


表現を楽しむのが美術や芸術です。人のあり方にも通じるものの見方です。その意味ではいい時代だと思います。

2018年9月19日水曜日

ドライポイント練習問題2

ドライポイントについての練習問題をさらに作りました。

1.次の問いに答えよう。

(1)ドライポイントは凸版、平板、凹版のうち、どの版画の方法になりますか。

(2)ドライポイントで下書きで描いた線は、版画の紙に刷ったときには白い部分になりますか。それとも黒い部分になりますか。

(3)ドライポイント同じ版画の方法をとるものが次のうちひとつあります。記号で選びましょう。
 ①シルクスクリーン ②エッチング ③リトグラフ ④コラグラフ

(4)ドライポイントは、塩化ビニールなどのうすい板を、先がとがった針で彫ります。この針のことを何といいますか。

(5)ドライポイントの場合、インクが入るのはどの部分ですか。次のうちから記号で選ぼう。
 ①彫り残した部分 ②彫った部分 ③彫り残した部分と彫った部分

(6)ドライポイントで、インクをしっかり彫った場所に入れるためには、彫る際にどのように彫ればいいですか。

(7)ドライポイントで塩化ビニール板にインクを入れた後、刷るまでの間に行う必要がある操作を書こう。

(8)ドライポイントなど凹版でする際に使う機械を何といいますか。

(9)ドライポイントのように、版を直接彫る版画を何といいますか。

答え (1)凹版 (2)黒い部分 (3)② (4)ニードル (5)②
(6)ニードルを立てて使う (7)余分なところについたインクをしっかりふき取る。(8)プレス機 (9)直接法





2018年9月13日木曜日

古代の美術練習問題(その2)

古代の美術に関して練習問題をさらにつくりました。

問1.次の文の( )に適当な語句を入れよう。なお( )に選択肢があるときは、ただし方を選んで入れよう。

ラスコーの洞窟には力強い表現で動物などが躍動的に描かれています。そして(①スペイン イタリア)のアルタミラの洞窟にも活き活きとした動物の姿が描き出されています。

新石器時代になると農耕や牧畜が始まります。すると巨大な(②巨石 木製)建造物が作られました。イギリスの(③ストーンヘンジ ネス湖)はそうした遺跡のひとつです。

ちょうどその頃の日本では、人々は採集や狩猟の生活をしていました(縄文時代)。この時代に作られた( ④ )土器の中には、伸びやかで躍動感に満ちたものがあります。また( ⑤ )は優れた装飾性を備え、日本の美術の源流といえます。

大阪万国博覧会の会場の「太陽の塔」を作成したことで知られる(⑥岡本太郎 黒田清輝)は、この縄文土器の力強い表現に圧倒され、のちの作品の着想を得たといわれています。今も現代人の心を打つ力をこの時代の文化は有しています。

自然に恐れを持ち、その一方でそれに対抗しようとしたり、恭順したりして生きてきた古代の人々の生きることへの(⑦願い 絶望)を表しているのではないでしょうか。

農耕や牧畜が始まると作物の豊作を願う宗教的な側面が文化に表れてきます。古代(⑧インダス エジプトの美術は、たくさんの絵や文字が残されています。当時の生活や文化の様子が活き活きと絵から伝わってきます。絵としては独特で形式的な表現です。

古代ギリシャでは、人間の美の理想を追い求めました。それは人間を表す上でも反映されました。「ミロの( ⑨ )」などはそれを象徴するものです。


古代ローマの美術では、ギリシャの美術の影響を色濃く受けています。政治家や皇帝の大理石の像が作られ飾られました。のちの(⑩ルネサンス ロココ)の時代の文化に強い影響を与えました

答え ①スペイン ②巨石 ③ストーンヘンジ ④縄文 ⑤土偶 ⑥岡本太郎 ⑦願い ⑧エジプト ⑨ヴィーナス ⑩ルネサンス














2018年9月1日土曜日

20世紀の美術の練習問題

20世紀の美術について理解できたら、次の問題で確認してみましょう。

1.次の文の( )に適当な語句を入れよう。
ゴッホやゴーギャンなどの時代を経て時代は20世紀となります。19世紀の末から新たな時代を迎えます。印象派のあとは色や形はより広がりを示すようになってきます。( ① )と呼ばれる芸術運動です。この流れのなかで、花や植物・動物などの( ② )などをモチーフにしたデザインや装飾などが好まれました。

新しい動きとして美術の常識を打ち破る動きが起こりました。絵の世界は画家の( ③ )の中に思い描いたものを表現する要素が中心となってきます。自分が感じたものを絵として表現するために、自由に形を変えたり、自然とは違う色を示したりもするようなります。こうした動きが世界に広がります。

アンリ・マチスなどの( ④ )(野獣派)やジョルジュ・ブラックやピカソなどの( ⑤ )もそういった流れの中の美術です。

そしてキュビズムはもはや自然の形状を示すことから離れて、( ⑥ )芸術、そして現実を越えた( ⑦ )へとつながっていきます。

さらに現状の芸術の枠を打ち壊すという意味合いのある( ⑧ )などが起こります。

戦後の芸術は作家の意図や考え方などが重要とされるようになりました。芸術の価値観が変わりました。作家の込めたものを感じ取ったり、興味深い形をおもしろがったりする芸術がはじまりました。

ジャクソン・ポロックは、絵の具をたらして描いて偶然に生まれる面白さをキャンバスに表現しました。これを( ⑨ )といいます。

それからマルセル・デュシャンはただ便器を置いただけの「泉」という作品で人々を驚かせ、注目を集めました。

またアンディー・ウォーホルはスープ缶をいくつも画面に並べた作品を作りました。誰もが知っている既製品に表現を加えることで社会の一面を表そうと試みました。これを( ⑩ )といいます。

答え ①アール・ヌーヴォー ②形 ③心 ④フォービズム ⑤キュビズム ⑥抽象 ⑦ シュールレアリズム ⑧ダダイズム ⑨アクションペインティング ⑩ポップ・アート


2018年7月31日火曜日

スケッチの楽しみ

先日フランスに行った話をこのブログに書きました。少し前のことですが、美術館めぐりをしました。今日は同時に訪れたイギリスでのお話です。

ロンドンの東、バスで高速道路を2時間かからないところにある街がカンタベリーです。こじんまりした街ですが、ここにはカンタベリー大聖堂があります。

11世紀にはじめの建物が建てられ消失後、その後再建されたたイギリス最古のゴシック様式の教会です。街の中心は城壁が残りその古い城壁は独特の風情を醸し出しています。世界文化遺産です。

私はこの教会のステンドグラスの美しさに感動しました。しばらくじっくり見た後、小さなスケッチブックに鉛筆でステンドグラスをはめてある窓をスケッチしました。

スケッチをすると、写真とは違い、対象となる物の形や色などの特徴をしっかり目に焼き付けることができます。それだけそのものをくまなく見渡しその特徴をつかまないとスケッチできないからです。

著作権などがあり、このブログでは紹介できませんが、非常に美しい形をした窓に巧みな技でつくられた各時代や様式のステンドグラスがはめ込まれています。「カンタベリー大聖堂 ステンドグラス」と検索すれば画像がたくさん見られます。

陽が当たる方角の窓よりも、陽が直接あたっていない窓の方が色が鮮やかに見えました。自分たちで準備した旅でしたので、2時間以上教会に滞在してスケッチを残すことができました。写真も撮りましたが、やはりスケッチした印象の方がいまだに強く残っています。

スケッチしている間にも地元の方々でしょうか、聖歌の練習をされていました。オルガンの響きとともにいかにも天上でひびく歌声のように聞こえてきました。天上世界をここではじゅうぶん夢想できる場だと感じました。とても良い経験ができました。


2018年7月26日木曜日

仏像の鑑賞

庭のケヤキの木が大きくなりました。しかし昨年夏の台風の際に太い枝が折れてしまいました。そこで丸太にして、軒先に置いて乾燥させています。小さな仏像を彫刻してみようと思ったからです。

さて、仏像は日本に伝わる前から仏教の教えに付随して、アジア各地に広がっています。したがって、日本に伝わってから、日本独自の文化の影響を受けて洗練されてきました。

仏の形をこのようにも多様で、さまざまに表現することが可能なのかと思うことがあります。そして共通するのは仏の姿からさまざまな思いが伝わってくることです。

作り手や信仰する人々の間で、歴史を経て連綿と伝えられてきたということに、時間の流れを感じるとともに、仏像を通じて人の心の中の思いの共通性をも感じることができます。

皆さんも身近な地域にあるお寺や博物館、美術館の仏像を鑑賞してみましょう。どんな思いでその像が作られたのか、思いをはせてみましょう。

有名な仏像をいくつか紹介します。

(1)釈迦三尊像(法隆寺)
飛鳥時代の7世紀に作られた古い仏像です。聖徳太子の姿を移したともいわれています。7世紀に鞍作止利 (くらつくりのとり)の作とされています。国宝の銅像です。

(2)阿修羅(興福寺)
奈良時代のこの像は8世紀に作られ、腕が6本、顔が3面ある姿です。皆さんぐらいの若い顔つきをしています。ふっくらしたほほに表情が真剣そのものです。国宝の乾漆像です。

(3)薬師如来坐像(薬師寺)
この像は7~8世紀に製作されました。銅には鍍金されていました。製作当時はきらびやかだったことでしょう。白鳳時代のものです。均整のとれた像です。

(4)阿弥陀如来像(平等院鳳凰堂)

平安時代の11世紀、仏師、定朝(じょうちょう)の作です。優しく穏やかな表情の仏像です。最も古い寄木造の像です。国宝の木造です。この像はとりわけ姿がよく、このあとしばらくこの定朝の仏像に似せた像がいくつも作られたといわれています。



2018年7月22日日曜日

絵の具の混色について

木々の緑を水彩絵の具で出そうとすると、12色セットや24色セットのなかのビリジアン(ビリディアン)や緑色、黄緑色ではどうにも表せないときがありますよね。

私も中学、高校時代に悩んでああでもないこうでもないと、混色を試みました。そのなかでわりとましだったのが、この木々の葉の色です。

あきらかに ビリディアンに茶色(バーントシェンナ)をほんの少し混ぜた色に見えました。特に日本の古来からの色である鶯(うぐいす)色、鳶(とび)色、松葉色(下図、モニタ画面上では若干色が合っていないかもしれません。)







などはいずれもその混色で近い色が出せることに気づきました。結構渋い色です。
そこで、高校の美術の時間にその色を使って和風の版画に使っていたら、美術の先生から「おお、なかなかいい色を出してるな。」とほめてもらえました。

それから油絵の場合の木々の緑については、19世紀フランスの画家のコローや、同時期のイギリスの風景画家のコンスタブルなどの画集を眺めますと、独特の木々の葉の色の表現が見られます。それまでにない黄色に黒を混ぜる表現に成功しています。コローの銀灰色と呼ばれる表現だそうです。

じっさいに油絵を描くときに私もその混色を行ってみたことがあります。たしかに黄色に黒を混ぜると、上で書きました、緑色に茶色を混ぜるのとはまた感じが違います。木々の緑の陽に照らされている部分から葉陰の部分の色に至る階調を多段階で表すには、たしかに黄色~黒による混色は優れているなあと感じました。

こういった混色や、点描による色の並置はさまざまな画家が試みています。

絵の具箱のチューブから出したままの色は、水彩の風景画の場合にはあまり使わないです。
ただし、混色が過ぎると濁った彩度の低い色になりがちですから、注意が必要です。2色を混ぜるだけでも数限りない色が出せますから、皆さんも自分なりの混色の組み合わせを考えてみてください。

絵の色については奥が深いので、また別の機会に書きたいと思います。

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中学 美術を ひとつひとつわかりやすく。

2018年7月21日土曜日

自然の色

スケッチをしていると自然には様々な色があることに気づくと思います。木の葉の色を見ても日が当たっているところと影のところでは色が違って見えます。また、日が照っている風景と、日が陰ってくもっている時の色もまたちがいます。

このように丹念に見ていくと画用紙の上にどのように表現しようかと迷うこともあります。

例えば、印象派の画家たちは、光の表現を色で行うことに苦心しました。

モネなどは同じ対象でも、時間によって陽の光には違いがあり、まったく印象が違ってきます。モネの絵を見ると、朝と夕では同じ積み藁(わら)でも色も表現法も違っています。

私自身、長い間自然の色を観察してきて、木々の葉の緑の色の多様なことに驚いています。それで様々な混色を試みてみたり、混色しないで、ある色のそばに違う色をわざと置いてみて、木々の葉のように見えないか工夫してみたりしています。

こうした工夫は水彩画だけでなく、油彩やアクリル絵の具でもできますが、それぞれの絵の具の特性により、また異なります。


したがって、自然の色を再現することは、とても奥が深く、やりがいのある作業だといえます。そういう意味では印象派の画家たちの仕事は完了したわけでも完成したわけでもないといえます。

2018年7月17日火曜日

日本の文化 盆栽づくりと鑑賞

はじめに


盆栽とは草や木を盆栽鉢に植えつけて品よく仕立てて眺め楽しむ趣味です。趣があり海外でも評価され、若い人々にも愛好家がみられます。自分の姿を小さくして盆栽の木を大木と見立て想像し、スケールの大きさを思い描くことのできる盆栽に銘品があります。経験が必要な面もありますが初心者なりの楽しみ方もあります。

盆栽をはじめてみよう
盆栽をつくってみたいと思ったらまずは初心者でもチャレンジできる植物から選びます。まず手始めに身近で盆栽を作っている人にたずねるとよいでしょう。するといくつかの候補となる植物を教えてくれるでしょう。

あるいは自分が育ててみたい植物をいくつか挙げてその中から選んでもらってもいいでしょう。失敗しにくいものを選んでくれるはずです。

多くの植物は盆栽に仕立てることができます。ます初心者ではある程度まで育てられた若木の盆栽を選択して育ててみるのがおすすめです。ある程度まで形が整っているはずですから、それなりの盆栽に仕上げる楽しみがあります。

まずはそのあたりから練習のつもりで作ってみるとよいです。するといろいろなことが盆栽には必要なことがわかってきます。生き物を育てるので、熱心に栽培するとそれなりにこたえてくれてかたちになっていきます。

盆栽をつくっていくとさまざmな植物が盆栽にできることに気づくでしょう。すぐれた盆栽は見る人を驚かせ、しかも独特の世界観を演出してくれます。しかも鉢とのバランスや品格などが感じられるものです。

何から準備するとよいか
盆栽を商品としている店に行くと目移りしてあれこれほしくなるかもしれません。でもそこはぐっとがまんして初心者のうちは無難なものを選択するほうが後悔しません。わからないときは初心者であることを店の人に伝えて、自分の興味の中から選んでもらうとよいでしょう。

たいていは店の人は丈夫で育てやすいものをえらんでくれるはずです。しかもただ買ってくるのではなく、その場でポイントになることを教わりましょう。水やりの回数や家のどこに鉢を置いたらいいのか、肥料はどうするのかなどです。

とくに冬場の置き場所、それから病害虫への対策などいろいろと悩みや迷うことが出てくるかもしれません。その点でも店の人と情報を交換し合うことはたいせつです。店の人もしっかり育ってほしいので、たいていのところは親切に教えてくれるでしょう。

育てていると植物の種類によって育て方や環境に対する影響の違いがあることに気づかされます。そして育てるうえでだいじなこと、ポイントになるコツがあることに理解が進みます。

それぐらい慣れてくると今度は盆栽の仕立て方、つまり剪定や植え替えなどもう一段階先のレベルに進んでいきます。

盆栽に関する情報の収集
最近では本やネットで盆栽の育て方や仕立て方などに関する情報が豊富にあります。それらの中から自分の興味に合ったものを選択して、それをしばらくのうちはよく学んで、忠実に再現できるかどうか育ててみます。

その途中では植物は病害虫に合うかもしれません。肥料の選択に迷うこともあるでしょう。それらに関しては状態を把握することが何より大切です。わからないときには自分で判断しないで、買った店に状態をつたえて相談するなり見てもらうなりするのがよいでしょう。

慣れないうちは気づかないでポイントをおさえきれていないことがありがちです。そのためさまざまなトラブルが生じることがあります。水のやりすぎや適合しない薬の投与などはありがちです。


丈夫な植物の場合にはかわいがり過ぎずポイントだけしっかりおさえた育て方のほうがよい場合もあります。生き物を育てるのですから最後までしっかり面倒をみることは植物でもたいせつです。

2018年7月14日土曜日

絵を見に行こう

夏休みです。街に出るのもいいですが、たまには美術館や博物館にいってみるのはどうでしょう。

日本のすごいのはどの都道府県でも基本的に有名な画家やよく知られた作家の作品が常設されている部屋があることです。

したがって皆さんが住んでいる近くの美術館(都道府県立のもの)では、そういった作家の作品を少なからず置いています。

この作品はここにあるのかというような発見もあります。有名な作家だけでなく、その地方に根ざした風土を丹念に追った作家も数多くいます。

そうした作品の中からお気に入りの一品を探すというようなテーマを決めてみると楽しみが増します。それから気の合った少人数の仲間とみるのもいいでしょう。その場で互いに感じたことを言い合えるのもいいです。


見終わると、何かしら元気をもらえますし、気分を新たにすることができます。「よし、明日もがんばろっと。」そう思える場所です。

2018年6月18日月曜日

デザインの配色の練習問題

配色に関して学習したら、次の問題を解いてみましょう。

1.次の配色に関する文の( )に適当な語句を入れよう。( )内に選択肢がある場合には正しいほうを選んで書こう。

ポスターを描いたり、イラストを描くときに( ① )を工夫しておくことがあります。どんなふうに( ② )すれば効果的に見る人に伝わるでしょうか。

色の( ③ )さとその置き方について視点をおきます。色面の③さを変えることで、その色面に対する感じ方が変わることがあります。例えば、統一した画面の中に、それと全く性質の(④同じ 異なる)ような色を置いてみると全体が(⑤ぼやけた 引き締まった)感じになります。

答え ①色 ②配色 ③大き ④異なる ⑤引き締まった

問2.次の(1)から(3)の文は、下の選択肢に示す3つの色面に関する表現法のうちのそれぞれどれになりますか。記号で選ぼう。

(1)
主調色で画面を統一した中に、それと全く性質の異なる反対の色を一点おくことで画面を引き締め、目立たせる効果を与えることができます。

(2)
画面の基本になる色のことをいいます。画面全体の主役になっている色のことです。

(3)
弱い印象をもっていたり、あまりに打ち解けてしまってはっきりしない場合などに黒や白などで縁取りをすることで目立たせてくっきりした印象にすることができます。

選択肢:(あ)アクセントカラー(強調色)
    (い)ドミナントカラー(主調色)
    (う)セパレーション(分離する効果)



答え (1)(あ)、(2)(い)、(3)(う)

2018年6月6日水曜日

紙の加工

さて、今日は紙でつくる工芸です。紙は軽くて加工がしやすく、様々に加工することができます。

紙の長所をあげてみます。
*曲げたり、巻いたりすると弾力を持たせることができます。
*曲げたり、折ったりすることで強度を持たせることができます。たとえばダンボール紙の内側などがそうです。
*加工の方法がさまざまあります。
*軽いので持ち運びが容易です。

紙の加工

紙を切るだけで、ちぎる、はさみで切る、細かく短冊状にするなど、形状に変化をもたせることができます。

また折り方には、山折りと谷折りがあります。山折りと谷折りを組み合わせるじゃばら折りなどで様々な形状のものをつくることができます。

紙に切込みを入れてから折ると開いたときに飛び出して見える細工を施せます。これによって飛び出して見える絵本や、カードなどを作ることができます。

和紙は繊維が長いので、和紙をちぎったものをはりつけていく張子はお面や玩具などの民具に利用されています。


そのほかにも日本には扇子やうちわ、折り紙、障子やふすま、凧などさまざまな紙を加工した日常生活で利用する紙製品があります。

2018年6月1日金曜日

静物画練習問題

静物画について問題を作りました。

1.次の文の( )に適当な語句を入れよう。( )内に選択肢がある場合には正しいほうを選ぼう。

静物画とはおもに(①屋外 室内)にさまざまな( ② )(題材)となるものを組み合わせて、それらを適切な( ③ )になるような配置として描きます。

この際に絵として(④緊張感 安定感)のある構図になるようにモチーフを配置するようにします。

ものを置いていくだけでは変化が少ないと感じる場合には、その背景に波打った布を置いたり、モチーフ同士を一部重ねて並べたりしてみます。

あまりにも(に並べるよりも、三角形の構図や(⑤偶数 奇数)個よりも(⑥奇数 偶数)個並べて自然におくようにするほうが絵としてバランスがとれます。

モチーフは( ⑦ )をあてます。その当たっている反対側は、逆に暗く、( ⑧ )ができることがあります。その様子から( ⑨ )感や存在感、(⑩材質 産地)の感じを表現できます。

また、モチーフを描き手から見る( ⑪ )も大切です。斜め前から、少しだけ視線がさがるようにすると、立体感を出しやすくできます。


答え ①室内 ②モチーフ ③構図 ④安定感 ⑤偶数 ⑥奇数 ⑦光 ⑧影 ⑨立体 ⑩材質 ⑪高さ

2018年5月31日木曜日

木彫の技法の練習問題

木彫の技法について具体的な彫り方に関する練習問題を作りました少し難しいです。

1.次の文の( )に適当な語句を入れよう。

( ① )彫りの彫り方
(1)彫りたい部分の中央に、切り出し(刀)で切り込みを入れます。
(2)その切り込みを入れた線( ② )に向かって、丸刀や平刀で( ③ )向きに彫っていきます。ちょうど線が彫刻刀の動きを止める役割を果たしてくれます。線の反対の方からも同じように彫ります。
(3)全体のバランスを見て、細かく彫刻刀で調整しての形に彫ることができます。

( ④ )彫りの彫り方
(1)( ⑤ )線の上を三角刀で線彫りをします。
(2)線彫りしたところの上の部分について切り出しで仕切りをします。そして丸刀などで( ⑥ )彫りをします。同じようなリズムで彫りをすると美しく彫れます。
(3)その他の場所についても調子を見ながら、かまぼこ彫りなどで仕上げます。

答え ①薬研 ②仕切り ③斜め ④浮き ⑤下書き ⑥片切り 


2018年5月28日月曜日

イラストや漫画の表現

イラストや漫画は今や日本を代表する文化の一つとなりました。世界中でにほんの漫画やアニメが読まれたり、親しまれたりしています。

その一方で、イラストレーションの表現は、自分が表したい内容を分かりやすく表現することができます。言葉がなくても多くの人にその内容を伝えることができます。

そして、これらの表現は、楽しいものが多いです。表現の方法に固い決まりなどはありません。

自由に独自の表現でその世界観や独特の雰囲気を醸し出すこともできます。

それらの表現には、誇張(強調)、擬人化、省略、コマ割り、擬音語、色調や配色での工夫がみられます。それらの表現をうまく使うことで伝えたいことをより伝えやすくする効果があります。


自分のアイデアをうまく活かして効果的に表現するには、どんな手法がふさわしいか、考えて描くのはとても楽しいことです。

2018年5月23日水曜日

構成美の要素 練習問題3

構成美の要素についての練習問題です。

1.次の構成の要素とは何か答えよう。

(1)構成する要素のかたちや色が、同じものが繰り返されている中で、ある部分だけに、目を引く色やかたち、線などが存在することで、全体が引き締まって見えるようになります。たとえば、ポスター、広告、団体のロゴマークなどにみられます。

(2)構成する要素のかたちや色が、同じものが繰り返されている中で、色やかたち、線などが躍動して見えたり、美しい模様として感じられる構成の要素です。たとえば、着物や服、壁紙などの模様に見られます。

(3)連続的に形や、点、面などが変化します。濃淡や色調が変化する場合もあります。そうした連続性の中に美を見出すことができます。本の装丁や包み紙などにみられることもあります。

(4)例えば、左右対称に同じデザインが使われていることで、つり合いが見られ、安定感が得られることがあります。建物の外観や乗り物を正面から見たとき、日用品などにそうしたデザインのものが多いです。使いやすさや扱いやすさにつながると考えれらます。上下に対称になったり、点対称になったりするデザインも含まれます。

(5)大きさの違う2つのキャラクターをならべたデザインをすると、どこかその両者に親しみや親近感があるように感じます。このように比率を変えてデザインする構成があります。



答え (1)アクセント (2)リピテーション (3)グラデーション (4)シンメトリー (5)プロポーション


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2018年5月22日火曜日

風景画練習問題

風景画に関しての練習問題です。理解の確認に使ってください。


問1.クロッキーについての次の文の( )に最も適する語句を入れよう。( )内に選択肢があるときには正しいものを選ぼう。


風景画を描くときには、ポイントがあります。基本的に風景画については( ① )法を使って描きます。


法は、近いものは(②大きく 小さく)、遠くにあるものは(③大きく 小さく)します。これは(④線遠近 空気遠近)法といいます。


それに対して近くのものは(⑤淡く はっきりと)、遠くにあるものは(⑥淡く はっきりと)描くことがあります。こちらは(⑦線遠近 空気遠近)法といいます。レオナルド・ダ・ビンチはこの手法を使ってモナリザなどの名作を製作しています。


そして絵の風景の奥行きをあらわすために、( ⑧ )景・中景・( ⑨ )景の一部が重なり合うように描くと、絵らしくなります。


それから野原、田畑、川や湖、山なみ、地平線などの( ⑩ )線を描く際には、近くにある場合には間隔を(⑪広く 狭く)します。その一方で遠くにある場合には間隔を(⑫広く 狭く)して距離感を出します。


またこれは着色の際に注意することですが、目でみて飛び出してくるように見える( ⑬ )色と、見ると後退していくように見える( ⑭)色を組み合わせると、同じように奥行きの( ⑮ )を表すことができます。



答え ①遠近 ②大きく ③小さく ④線遠近 ⑤はっきりと ⑥淡く ⑦ 空気遠近 ⑧遠 ⑨近 ⑩水平 ⑪広く ⑫狭く ⑬進出 ⑭後退 ⑮広がり

2018年5月20日日曜日

静物の描き方

静物とは果物や花、本などのようにその場で動かないものを示します。こういったものを対象にした絵を静物画といいます。

外に出かけていって描くことになる風景画や動く人物画と比べると、対象となる静物がじっとしてくれていますし、手に入りやすく室内で描くことができます。したがってじっくりと取り組む相手としてふさわしいものです。しかも組み合わせることで、画面に立体感や奥行き、リズム、安定感などを出すことができます。

こういった表現は自由ですので、自分で工夫することで様々な静物画の様式を学ぶことができます。

静物画の描き方のポイント
中央に大きく描く…存在感を示すことができます。
きまりにしたがって並べる…リズムや視線を誘導することができます。
複数を並べる…りんご1個ではなく複数個を並べることで、リズム・奥行き・広がりなどを持たすことができます。
数多く並べる…モチーフ(素材)になるものを様々数多く画面に置くことで、空間の広がりやにぎやかさを表現できます。

上にあげた意外にも様々な素材を組み合わせることで、質感の違いや形の面白さを際立たせることができます。

それからそうした対象を画面にどのように収めるかも選択できます。
画面に小さめに入れる…空間を生かしたい表現の場合。他にも対象を加える場合。
画面の大きさに合わせる…最も標準的で対象をストレートに表現できる。
画面から一部がはみ出る構図…迫力が感じられ、主張したい部分を際立たせることができます。
静物の一部をとりあげる…ポイントやアクセントにするねらい。本のカットなど。

そして同じ対象でも見る高さや向きによって素材の表情が変わってきます。高い位置から見ると、その素材を説明するような構図になります。正面からですと重厚な落ち着いた印象、正式なイメージが得られます。左右斜めから見ると、画面に緊張感が出て、動きや感情を織り込むことがしやすくなります。水平の位置から見ると、素材を客観視して突き放し、その空気感を表すような感じになります。